先日、社会福祉士会主催の福祉講演会が開催されました。
遅れましたがお越しいただいたみなさん、有難うございました。
〜知らぬまに加害者だった〜
ハンセン病回復者のこれからそれは知ることから始まる
ハンセン病の回復者のみなさんは、言われのない偏見差別の歴史に
苦しんで来られ、今もなお、それは終わっていません。
当時、国が間違った判断で隔離政策を推進したのですが、隔離政策に携わった現場の警察官、お医者さん等は、自分の職務に従い、「これは正しいことだ」、中には、「市民のためだ。」と意気込んで頑張って職務を全うした人もいたことでしょう。
あらゆるメディアも国民も、国が言うことに、まさか誤りがあるとは思わず、一部の医師を除いて、差別が間違いだと気付く人は当時は皆無だったと思います。
こちらは正しい正義感のつもりでも、実は知らぬ間に、みんなが加害者でした。
いまだに残念ながら、それが続いています。
また、家族も同様に被害者である一方で、ハンセン病の身内を遠ざけ、知らぬ間に加害者になってしまっていた側面もあったのかもしれません。
まさに表裏一体の状況だった訳です。
この歴史を知ることから始め、未来に活かさないといけないと思っています。
先日、見た投稿について思うところがありました。
その投稿は、一見、生きづらい世の中を楽に生きる知恵を授けるかのような投稿でした。
内容は、自分が信じる一部の人以外の意見を自分の中からすべて排除すると楽に生きられるという内容で、その排除するべき人を下げすみ、汚い言葉で罵倒していました。
使っている写真も先日、物議を醸した人生会議の小藪さんの写真を彷彿とさせる何とも感じの悪いものでした。
もう一つ、その投稿に、いいね、中には超いいねを押している方もいるのです。
例えば、ご自身と一緒に働いている人や、お友達のグループ、自治会やPTAの集まり、スポーツのチーム内などのコミュニティで、そんな排除する罵りがあったとしたら…。
自分のこととして捉えてみてください。
それを見たら、その方の周囲にいる人はどう思うんでしょう?!
その対象は、あなたかもしれません。
またそれをあまり考えずに、小躍りして茶化したり、時には一緒にバカにしたり…、みんなで賛同していたとしたら…。
確かに救われる人もいるのでしょう。でも一方で傷付き、悲しむ人もいます。
物事は表裏一体、何がいいことで何が悪いことなのか、こんな時代だからこそ、想像力を働かせ、物事の本質を見極める力が問われるとわたしは思います。
スケールや背景も全く違いますが、ハンセン病の歴史から、実生活に落とし込める学べることなのかもしれません。
また、わたし自身もこの投稿は、敵を作る投稿なのかもしれません。
自分も知らぬ間に人を傷つける投稿をしている可能性さえもあります。
これも表裏一体…。
賛否両論あることと思いますが、先ずは、ハンセン病回復者の歴史を知ることから始めて欲しいと思います。